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Vol.19
子どもの育て方 |
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私が還暦をとっくに過ぎた年令の為か、子どもの育て方を時々相談されます。
色々お話を伺っていると、核家族化した家庭の中で子どもを育てるには難しい環境である事を痛感します。
携帯電話、ゲーム、万引き、いじめ等の個別の問題はそれぞれ深刻なテーマですが、その都度、両親が知恵を絞れば解決できない訳ではありません。ところが個別の問題の根底に「一流大学へ入学させたい」という親の願いが潜んでいる事が多いのです。
しかし、素質に恵まれた子どもを親が上手にリードすることで一流大学へ入学出来れば良いのですが、現実には親が子どもに無理強いすることで裏目に出るケースが少なくありません。〔トンビが鷹を産む〕ことは稀ですし、昨今は経済的な裏付けも必要になります。
私は国家レベルの能力配分を考えた場合、大学・大学院から社会へ出る学生の割合は20〜30%で良いと考えています。
大学入学迄の受験勉強で燃え尽き、大学入学後は青春をエンジョイしたいとする昨今の風潮は、大学の果たす役割を考えた場合、本末転倒なのではないでしょうか。本当に勉強したい人が大学へ入れば良いのです。
子どもの数が1から2人という現代の家族構成を見れば、子どもに期待する親の心情は理解出来るのですが、過度の期待が子どもをスポイルするケースが非常に多いのです。
子どもが小学生の頃は充分に遊ばせて体力と運動神経を発達させ、加えて子どもの持つ才能の有り様を見極める。そして子どもには最低限の親の義務としての家庭教育を行う。
〔顔見知りには自分からきちんと挨拶をする〕、〔年寄りを労わり、電車やバスで席を譲る〕、〔他人に迷惑をかけず、自分の行動に責任を持つ〕等々をきちんと教え込む事が大事です。その為には子どもの目の前で親が実践する事が必要です。
これらの家庭の躾は現代社会が最も欲していることで、希少価値なのです。
あれこれ子どもに過大な期待をすることはやめて、子どもの能力と自主性に任せる思い切った覚悟を決めれば、子育てに悩む問題の80〜90%は解決出来ると思います。
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