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Vol.18
常識とは何か |
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「あの人は常識がある」、「あの人は非常識だ」と言った表現をよく耳にします。しかし、常識とは一体何なのでしょうか。辞書(三省堂・国語辞典)を見ると、常識とは〔その社会が共通に持つ、知識または考え方〕と説明されています。
〔知識または考え方〕の内、〔知識〕については各人の教養レベルの問題ですから、「大学を出ているのにこんなことも知らないのか。常識だぞ」とお目玉を喰らって終わりです。私も若い頃はこの種のお目玉をよく喰らいました。
知識の常識がその時代の平均値を指すものとすれば、現代社会では短大、又は専門学校卒業程度の知識ということになるのでしょうか。その人の置かれた環境によって周囲の要求度も違ってくるので難しい点はありますが、それでも知識という具体的な対象がある訳で、比較的分かり易い話ではあります。
しかし、〔考え方〕となると極めて曖昧で、しかも現代社会で常識の有無を人が口にする時は、〔知識〕よりも〔考え方〕を問題にするケースが多い様に感じられます。。「あの人は非常識だ」と批判する場合、「あの人」の発言や行動の内容が批判の対象となるケースが大半です。
それでは〔その社会が共通に持つ考え方〕とは、一体全体、何をベースに判定したら良いのでしょうか。
人の持つ考え方はその人の生き方、人生観がベースになっています。考え方を非常識と批判されるのは、生き方や人生観を批判されることにつながります。そして人が不快に思い、批判のターゲットとなるのは、独善性、利己的等の言葉に代表される協調性や社会性を欠く言動だと考えます。
とすれば、〔考え方が常識的か否か〕は、相手の立場を考えているか、相手に対する思いやりがあるか無いかが基準となるのではないでしょうか。
短大、又は専門学校卒業程度の知識を持ち、思いやりのある生き方をすれば、〔非常識〕と批判されずに済むと私は思うのです。
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