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Vol.31 いじめ・差別・選別 |
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世の中には様々な差別があります。大きく分けると白人、黄色人種、黒人に代表される国家間、民族間の差別と、国内問題としての階級差別があります。
差別は何故発生するのか。この問題を考えるには、差別の要因から見た方が早いと思います。考えられる要因は、@容姿、A能力、B貧富の差、が大半ではないでしょうか。
冒頭に触れた国家間、民族間の差別の殆どは肌の色や体型の@〜Bに起因していると思います。一方、国内問題としての差別は、自然発生的な@〜Bの他に、宗教的、政治的思惑から意図的に作り出す被差別階級の設定などがあります。
勿論、差別は悪いことで、特に差別された側の痛みは、その立場に置かれた人でなければ分からないことが多いと思います。
以前、私はいじめの問題で、人が3人集まればいじめが発生し、いじめを無くすことは出来ないと書きました。何故なら、いじめは差別そのもので、いじめに走る要因は、差別の要因@〜Bがそっくりそのまま当てはまるのです。
人は他者をいじめ、差別することで、自分の優位性や存在意義を見い出そうとします。どんな綺麗事を並べる人でも、心の奥底には必ずと言って良い程あるのです。無意識の差別がそれです。物事の例外は必ずありますが、一般論として、例えば企業の中の男女昇進比率があります。日本企業の女性管理職が欧米に比べて圧倒的に少ないことはよく知られています。国民性や出産・育児等のデメリットを理由に男女差別が常態化しているのです。これは意図的差別と考えられます。
この文章を読まれている人の中には「これは差別ではなく男女の特性を生かして選別しているだけ」と思われる人もおられると思います。しかし、物や会社を選ぶ場合は確かに選択であり、区別ですが、人間関係の中では選別がそのまま差別につながるケースが圧倒的に多いのです。
いじめや差別を極力無くす為の方策は、誰もが持つ心の働きを理性の力でコントロールするしかありません。
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