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Vol.22
能力と決断 |
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人の基本的能力は、体力、気力、知力が大部分を占めています。大相撲で言われる心(気力)・技(知力)・体(体力)がこれに相当し、この三つの能力が高いレベルでバランス良く整って、初めて優勝力士になれる訳です。
又、この理屈は企業のトップに必要な条件でもあるのです。体力と気力が衰えては正常な判断が出来なくなり、逆に高い目標意識を持てば、気力が湧き、力も出ます。ですから困難に直面し、心労から体調を崩してすぐ入院するのでは、気力、体力の面で経営トップの資格を欠くと言っても過言ではないでしょう。
一方、知力については、大手企業のトップは大半が一流大学を卒業し、高い学力を身に付けています。しかし、この学力が問題で、単に「1+1=2」の積み重ねで得た学力と、「1+1=3」があるのでは、と疑問を抱きながら勉強するのとでは、大きな違いが生じます。現実に人間社会では、2人で歩調を合わせると3人分の作業効率が生じるケースもあるのです。
常に疑問を抱き、試行錯誤を繰り返す中で、次第に判断基準が形成され、最後はゆるぎない確信が生まれます。そして、この確信がぶれない判断力と決断力に繋がって行くと私は考えています。ところが、リターンマッチの機会が無い、定型化した業務と考え方が主流の役所や公共事業会社では、決断力が育ちません。
人は引き際が大事で、人としての評価も定まると言われますが、経営トップとしての職責が果たせなかった折の自覚と判断力、そして身を引く為の決断力が人の上に立つ者には必要なのではないでしょうか。
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