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Vol.83
命の値段 |
2025年3月3日 |
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以前に聞いた話です。
救急病院では、救急車で運び込まれた患者に対して、治療と併行して所持品をチェックし、治療費の請求が可能か否かを確認するそうです。
世の中には、江戸時代の「赤ひげ」先生や、現代でも街の開業医の中には「医は仁術」を実践し、献身的に患者に寄り添う医師もいます。また、アメリカで心臓手術を受ける為の費用の募金活動に、多くの人が協力するニュースも聞かれます。
しかし、こうした医師や募金で支えられた人は、現代社会では幸運な人なのです。救急病院はそれなりに多くの医師や看護師の他、様々な専門職員を抱えており、経営のトップは黒字決算が必要不可欠となります。
こうしたビジネスの観点から言えば、運び込まれた患者が身元不明であったり、見るからに路上生活者と判断された場合、治療の範囲が限られるのは、当然と言えるのではないでしょうか。
また、一流と目されている病院に入院すれば助かる命も、ヤブ医者揃いと評判の病院では助からない可能性があります。更に保険適用外の高額な薬や手術により、助かる命もあるのです。
地獄の沙汰も金次第と言われますが、人間の命も金次第なのです。 |
了 |
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菅谷 勝
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