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Vol.91 中間層 |
2025年10月3日 |
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中間層という単語は通常、経済的格差で用いられる事が多いのですが、ここでは政治的分類として考えてみました。
最近の国際情勢として極端な右派・左派、又は保守・革新の流れが生じています。アメリカでも保守の共和党と革新の民主党の中に、それぞれ極端な考え方が生じ、国を二分する騒ぎになっています。
これは私の個人的な見方ですが、アメリカ人は物事を判断する場合、イエス・ノーが明確で、どっちつかずの中間層が少ない様に感じるのです。その為、「日本人は物事を決める際に決断が遅い。曖昧な返事が多い」と言われたりします。これは狩猟民族の流れで国が成り立ち、その後、世界中から移民が押し寄せたアメリカ人と、古来からほぼ国を閉ざし、農耕民族として歩んで来た日本人の感性の違いだと思うのです。農業を営む集落は、一種の共同体として相手の意見を尊重し、決定事項には無条件で従うことで調和が保たれて来たのです。自分の考えに固執し我が道を行ったのでは、全体として前へ進めません。
政治に話を戻して考えれば、仮に保守・革新共に支持率が30%とした場合、中間層(無党派層)が残りの40%を占めます。従って選挙の都度、この中間層の票がどちらへ動くかによって、政治の体制や国としての進む方向が決まります。
私は最近になって、この中間層(無党派層)が安全弁としての大事な役割を果たしていると思う様になりました。一気に軍国主義や共産主義になることを防ぐブレーキ集団なのです。
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了 |
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菅谷 勝
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