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Vol.90 猿 |
2025年9月3日 |
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私の住まいは、前方の南側こそ海を望んで開けておりますが、左右と裏側は小高い山で囲まれています。この山から毎年10~20匹の猿が集団で住宅地に侵入してきます。
以前、私の両親が住んでいた頃、母が台所のテーブルに冷凍牛肉を解凍すべく置いていたところ、猿が台所の網戸を開けて入り、牛肉を持ち去りました。数年前には知人宅の庭で、20匹程の猿が柿の木に登り、その中には口に1個、両手に1個ずつ計3個を確保し、殆どの柿を持ち去りました。ミカン、サツマイモ、カボチャ等の作物は、毎年の様に荒らされています。
そして今年は我が家にも現れました。裏手の空き地に10匹程の猿が現れたのを妻が目撃していたのですが、その内の大人の猿3匹が、我が家のリビングの網戸を開けて侵入。その折、私はキッチンで食後の洗いものをしていて猿の侵入に気付かず、生ゴミをコンポストに捨てに行ったところ、2階で妻のけたたましい悲鳴が聞こえ、その直後に3匹の猿が1階の開いていた網戸から飛び出して逃げ去ったのです。
近年、熊による被害が日本各地で発生していますが、猿も至近距離で遭遇した場合、特に子連れの親猿は視線を合わせると危険だと言われています。
今回の猿騒ぎは、1階に侵入した猿がキッチンの私に気付き、階段を登って2階に上がったところ、部屋の入口で妻に気付き、妻も3匹の猿が並んで自分を見つめているのに気づいて悲鳴を発したので、猿も驚いて階段を駆け下りた、というのが事の顛末の様でした。
「猿知恵」という言葉がありますが、人間の祖先だけあって、猿はそれなりに利口です。
私は昭和19年生まれで、第二次世界大戦で日本の戦いが劣勢の折に生まれた為、父は戦争に勝って欲しいとの願いを込めて私に「勝」と名付けました。しかし、秀才の父と違って凡才の私は、「マサル」ではなく、「マ抜けサル」ではないか、猿知恵のレベルではないかとひがんでおります。
ちなみに「まぬけさる」が一般用語としてネット上にあるか否かを調べてみたところ、あったのです。作詞家のペンネームで「まぬけさる」が1件ヒットしました(検索時点で)。
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了 |
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菅谷 勝
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