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Vol.7
女性の社会進出 |
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近年、女性の活躍が目立つ様になりました。特にオリンピックやゴルフといったスポーツの分野でその傾向が顕著です。これはスポーツが実力の世界であり、素質に恵まれた女性が努力した結果だと思います。文学や芸術の世界も同じです。
ところが、ビジネスの世界ではなかなか難しい様で、本来、実力主義の筈の外資系企業のキャリアウーマンですら、「実力を評価して貰えない」「実力を発揮する場がない」という不満を私に洩らすことが多いのです。
政治や経済の分野は、組織の有り様と複雑な人間関係の中で頭角を現していかねばなりません。現在の日本で政治、経済の分野で高く評価されている女性もいるのですが、その中で女性らしさを捨てることによって成功したケースが目立つと感じるのは私の偏見でしょうか。
鉄の女と言われたイギリスのサッチャー元首相レベルになると対象外ですが、一般女性が女性らしさを捨てなければ組織の中で頭角を現せない社会は不幸と言わざるを得ません。原因の大半は男性側の意識と男性社会を前提に作られたシステムにあると思います。
男性社会の作った壁を突破する為の無理が、女性らしさを捨てる結果となり、その過程で女性の能力を活かせずに会社の損失につながったケースは数多くあった筈です。
男性と女性は脳細胞の仕組みが大きく異なることが、最近発見され、体力の差も歴然としています。出産、育児、家事等のハンディも女性は抱えており、要はこうした男女の基本的な違いや、ハンディを配慮しサポートするシステム作りが必要で、その為には男性側の意識改革が要求されます。
高学歴化や文化的生活を維持する為の収入増、その他、諸々の背景から、女性の社会進出は大きな流れとなり、むしろ女性の能力を活用出来ない会社は生き残れない時代が目前に迫っていると私は感じています。
最近、結婚しない若者が増えています。色々な事情はあるでしょうが、原因の一つに異性に対して男らしさ、女らしさが感じられず、結果として結婚に夢が持てないのではないかと思います。高度化された社会は知能を重視する結果、男らしさ、女らしさを余り必要としなくなったことも背景としてあります。
第二次世界大戦で多くの日本兵が戦死した折、「お母さん」と言って死んだケースが多かったと言います。何故、「お父さん」と言わなかったのか。女性の持つ慈愛の深さが、若い兵士達の心に深く染み込んでいた為と言わざるをえません。
男性社会の物差しで女性を計ろうとすれば、必然的に女性側は身構えます。女性の能力を活かすには、新しい計算尺が必要なのです。男性らしさ、女性らしさを失わずに平等感を味わえる社会を作ることが出来れば、と心から願う次第です。
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