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Vol.38 人間力 |
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このテーマについては様々な解釈の仕方があると思いますが、私は人間力、即ちエネルギーと考えています。人間の持つエネルギーの量は人によって異なり、量の大小は持って生まれた先天的な素質が大きいと思うのです。
エネルギーの根源は、体力と気力(精神力)です。人は成長の過程でスポーツに力を入れて体力増強を図り、目的意識を持つことで気力(精神力)をパワーアップすることが可能です。
スポーツに向かう力や目的意識を持つことそのものが、持って生まれたエネルギーに左右されることが多いのです。勿論、エネルギーの大小が100%素質によるものではありません。現にそれ程の体力がなくても、気力(精神力)で人間国宝となった芸術家は数多く存在します。
40年程前にアメリカで大統領補佐官や国務長官を務めたキッシンジャーという人物がいました。世界中を飛び回り、誰もが一目置いた人ですが、その彼が「なぜ一日が24時間しかないのか」と言いました。キッシンジャーは外見そのものもエネルギーの塊のような人でしたが、私は周囲を圧倒する迫力に衝撃を受け、以来、エネルギーの正体を考え始めました。
私は調査の仕事を通して数万人の人生模様を見て来ました。第一段階の子どもの頃の傾向で見えるのは、スポーツ、勉強、芸術その他の特殊技能の3分野に興味を抱き、のめりこんでいく抜きん出たグループがあります。第二段階は学校を卒業する際の進路です。安定志向の公務員や大企業を目指す。あるいは実力はあるが中堅企業に入ってトップを目指す。更にベンチャー企業に代表される将来の独立志望のコースを選択する。その他にスポーツ、芸術等の分野に進む学生もいますが、いずれにせよ、これらのコース選択で道は大きく分かれます。
そして第三段階は選択したコースを歩む中で、どれだけ頑張れるか。立ち止まったままだったり、後ずさりしたのでは話になりません。常に一歩前へ進み、時に寝る間を惜しんで、死ぬ程に働いたり研究をする。そして幾多の修羅場を潜った先に何を見たかで、プロフェッショナルとしての人間力の評価が定まるのだと思います。 |
了 |
菅谷 勝 |
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