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秋霜とは晩秋に降りる霜のことを指し、寒さに慣れていない人間にとって厳しい状況を意味します。
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Vol.17 リスクマネージメントA
「なぜ日本は安全であったか」

 日本はかつて農民が人口の大多数を占め、農村は米作りを中心に地域の社会作りが進められました。米作りの最大の課題は水の確保と管理にあり、かつては水を巡って流血事件も多発したと言われます。そこで争いの起きない水利用のシステム作りが進められ、その延長線上で困った時はお互いに助け合う運命共同体としての安全な社会が成立しました。日本人の根底にある性善説は、人と人が協力し信じ合える文化だったのです。

「欧米の文化、国民性は?」

 日本は米の収穫によって1年間の食料を計画的に消費することで安定した社会作りが出来ました。一方、欧米では肉食主体の為、狩猟民族としての歴史が永く続き、極端に言えば食料確保の為に「その日暮らし」を余儀なくされ、勢い自己中心の考え方や生活様式が形作られたのだと思います。

性悪説が定着した背景には食料の問題があったのではないか、と考えたのです。現在でも欧米を旅行すると、「人を信用することは即ち、自分の身を守れないこと」を思い知らされます。地元の警察も「騙される方が悪い」と言うそうです。

「今、日本で何が起こっているか」

 日本の性善説と欧米の性悪説が今、日本で激しく衝突し混乱を来たしています。外国人による想像を絶する様な犯罪がその一例ですが、問題は日本社会の中にも急激な変化が生じ、日本人自身が性悪説化し、凶悪犯罪を多発させている点にあり、企業のリストラ、核家族化による個人主義化、それに伴う子どもへの情操教育の欠如、都会に多く見られる近隣との連帯欠如、サラ金に端を発した犯罪等々、日本の中に性善説では生活して行けない不安定要素が増大しています。

 ところが安全な社会で生活して来た日本人の遺伝子、生活習慣(鍵をかけずに寝たりする)が、急激な不安定社会に対応出来ずにいることが問題なのです。

 安全な社会を取り戻す為の努力は必要ですが、もはや不安定化社会への流れは止め様がないと、私は想像しています。従って、性善説から性悪説への意識転換が国民一人一人に求められ、組織としても防衛策を講じる必要があります。時代はそれ程激しく変貌しているのです。
菅谷 勝

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