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Vol.15
バランス感覚 |
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私は40才代の頃、人と人とのつながりは「損得勘定」と「相性」の2点が基本と考える様になりました。その後、作家で人生の達人と称されていた池波正太郎氏の随筆で全く同じ記述を読み、意を強くした記憶があります。
損得と相性が基本とは言え、このバランスは微妙で、損得に片寄り過ぎると「計算高い」と言われ、相性に片寄り過ぎると「人間が甘い」と言われたりします。
一方、イデオロギーを重視する集団の場合は、「イデオロギー」「損得」「相性」が三つ巴となり、厄介なものとなります。政治団体、思想団体、宗教団体が離合集散を繰り返すのは、単に人間がイデオロギーの旗の下に集まる訳ではなく、「損得」や「相性」を集団に持ち込むことで、派閥抗争、裏切り等の混乱要因を醸成するからです。
サークル、ボランティア団体等は「相性」に重きを置き、投資グループを始めとするビジネス集団では「損得」で割り切った身の処し方が可能です。
会社の場合はどうでしょうか。仕事に対する夢、立身出世の欲望、人間関係の難しさ、その他様々な問題はありますが、社員は第一に生活の安定を求め、損得勘定で入社するのが普通です。そして安定した収入を得るには、会社が利益を計上する必要があり、会社が利益を計上するには、社員同志がチームワークを上手に取る為の努力をする必要があります。仕事上の夢や立身出世はその延長線上に生じます。
さて、あなたは身の処し方として、どの様なバランスを取りますか。
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