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Vol.16
リスクマネージメント@ |
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10数年前、外資系企業の顧客から、リスクマネージメントシステムの作成依頼がありました。当時の日本はリスクマネージメントという言葉そのものに馴染みが薄く、専門書も内容は総論ばかりで役に立たないというのです。
この顧客には親会社が作ったマニュアルがあるのですが、当時の親会社は同業他社を吸収し、大規模な人員整理を行っていて、トップは防弾ガラス付きの車に乗り換えており、こうしたレベルのマニュアルは日本の実情に合わず困っている、という背景があったのです。
とは言え、この分野のコンサルティングは弊社として未経験でしたので、一度はお断りしたのですが、それでもということでお受けすることにしたものの、初歩からの勉強が必要でした。ただ、この頃から取引先の社内で未だ経験したことのない様々な種類のトラブルが発生し、個別の調査をお受けしていましたので、これを体系化することで全体像の把握は出来ました。そして、顧客の本社、工場、研究所をつぶさに見聞きし、分析させていただきました。
その結果、ハード(設備)とソフト(人間)の両面からリスクマネージメントシステムを作成することが出来たのです。この仕事で気付いたことの一つに、欧米と日本の文化に大きな違いがあるということでした。
近年、日本人は未だ経験したことのない犯罪に度々、衝撃を受けています。日本は先進国の中でトップクラスの安全な社会でした。それが何故崩れ始めたのか。その原因を考えてみたいと思います。
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