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Vol.75
トリプルチェック |
2024年06月25日 |
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私の高校時代に、ビジネスレポート作成の授業がありました。
先生が悪い例文として、「貴社の記者、今日の汽車で帰社する」を挙げ、手紙の「前略」を使用した場合は、「早々」では無く「匆々」が正式な言葉になる、と教わりました。
私は現在、リモートワークで弁護士・弁理士の先生方にご報告する、特許・商標及び、これに関連する特殊調査、更に、このジャンル以外の特殊調査の報告書監査を行っています。
これを会社にフィードバックし、会長と社長によるトリプルチェックでご報告致します。
調査員からは納期の数日前にレポートを提出して貰い、不明な点があれば再確認・追加調査を行います。
文系分野で日本を代表する弁護士・弁理士の先生方にご報告する為、我が社の総力を挙げた仕事ですが、それでも果たしてご満足頂けているか否か、不安が残ります。
近年、各メーカーによる品質検査の手抜き・データ作成の偽装等で、世界から評価されていた日本製品の品質基盤が揺らいでいます。サプライチェーンの国際化や価格競争によるコスト削減等、様々な理由があるとしても、可成り以前からの慣習であったケースも多く、これが内部告発等で表面化したに過ぎません。
従業員一人ひとりの倫理観、仕事に対するプライド、自社製品に対する愛着等が確り根付いている職場では、管理職や経営者も不正を働く事が出来ません。ですから、問題を起こしたメーカーは、経営者・管理職・一般社員の全てに責任が有る、と私は思っています。
以前、このエッセイで書いた事が有りますが、私は父から「100%は無理でも、100%を目指せ」と教えられ、これを肝に銘じて仕事をして来ました。寄る年波で何時まで出来るか判りませんが、会社から引導を渡される迄、働くつもりでおります
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了 |
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菅谷 勝
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