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Vol.61
人間の命 |
2021年05月12日 |
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かつて、「人間の命は地球より重い」という有名な言葉を判決文に残した判事がいました。私も学生時代に感銘を受けたことを覚えています。又、現在でも、死刑廃止論者の多くが金科玉条の如く、この言葉を取り上げています。
しかし、この言葉は大袈裟ではないでしょうか。所詮、人間は地球上の生物の一種に過ぎませんし、その人間が自分達の命を守る為に他の多くの生物の命を奪って食料にしているのです。人間社会が自然環境を破壊した結果、地球上の多くの生物が絶滅し、又、絶滅危惧種も多岐に亘っています。
牛、豚、鳥は食肉として良いが、犬、猿等を食べる社会は野蛮だとする観念は、何を根拠としているのでしょうか。
人間は知能が異常に発達した為、科学や化学、芸術等の分野で目覚ましい進化を遂げていますが、生物学的には人間も牛や豚と同じ命です。もし、猿が進化せずに豚が進化して地球を支配し、猿を食肉としていたら、と考えた事がありますか。
私は常日頃、「人間はあまり利口ではない」と口にしていますが、これは、生物学的立場から、人間はもう少し謙虚にならなければならないという思いもこの中には込められています。 |
了 |
菅谷 勝
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