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											| Vol.62 
											言葉は世につれ |  
											| 2021年09月21日 |  
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														| 歌謡曲全盛の時代に、「歌は世につれ世は歌につれ」という言葉が流行していました。時代と共に変化していく様を意味していますが、その流れで行けば、「言葉は世につれ世は言葉につれ」の例えも思い浮かびます。 
 浅学非才の私は、百人一首の和歌を見ても言葉の意味が理解出来ません。
 
 言葉と言えば、150年程前まで続いた江戸時代に長屋暮らしをしていた庶民が、どの様な言葉で喋っていたのか殆ど分からないと言われます。世界のトップクラスと言われる識字率の高さを誇っていた江戸時代ですが、庶民の言葉を残す文書が無い為、映画やドラマで当時の言葉を表現する際は、落語の「熊さん」ではないですが、殆ど創作だと言うのです。
 
 転じて現代の若者達がメールでやりとりする言葉は、極限まで省略していて、「あけおめ」程度は私にも分かりますが、大半は意味不明です。そして更に時代が進み、年賀状の文化が消滅して久しい頃には「あけおめ」が古語になり、語源辞典で調べる破目になるかも知れません。
 
 言葉や文字は、自分の心を表現する大事な手段ですが、逆立ちしても読めない文字を子供の名前に付ける現代の風潮は、名前を何故付けるかという本来の目的から大きく外れていると感じます。
 
 昨今の省略語と併せて、日本の言葉や文字の文化は表層雪崩を起こしているというのは過言でしょうか。
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														| 了 |  
														| 菅谷 勝 
 
 
 
 
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