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Vol.51
垣根を超えた |
2019年04月19日 |
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日本は中世の戦国時代まで、各地の寺の住職が一般庶民に文字や算術を教えておりました。寺子屋の語源でもあります。ですから当時の僧侶は大変尊敬され、武家社会からも一目置かれていたそうです。
時代が変わって明治時代になると、国家の制度として教員、警察官、職業軍人が設けられ、更に裁判官、検事、弁護士等が社会のモラルを維持する担い手として敬意を払われる様になりました。
ところが現代の日本社会はどうでしょうか。過去には隠ぺいされていた不祥事が情報化社会になって表沙汰になるといった側面があるとしても、上記の各職業人達が詐欺、傷害、脱税、破廉恥等の罪で毎日の様に報道されています。
そして数年前、現職警察官による殺人事件が起きました。現職警察官による殺人事件は他にもありますが、今回は男女間の愛憎などではなく、単に遊ぶ為の金欲しさに、以前、調査で立ち入ったことのある男性宅に侵入し殺害した事件でした。更に現職の都立中学校教諭が売春クラブを主催し、女子高生を客にあっせんした事件が発生。
その際の私の印象は「遂に垣根を超えた」でした。
人間は誰でも欲望があり、罪を犯す可能性を抱えていますが、それを一歩手前で思い止まるのが普通です。僧侶を始めとする尊敬される職業人が犯罪に走らないキーワードは、「プライド」と「良心」ではないかと思うのです。
自分が社会のモラルを守るというプライドを持てる様な教育、職場環境の醸成が急務と感じさせる殺人事件と売春斡旋事件でした。 |
了 |
菅谷 勝
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