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Vol.50
制度疲労 |
2019年03月13日 |
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日本は第二次世界大戦で、若者を中心に310万人が死亡したと言われます。
しかし、戦後の復興は目覚ましく、終戦から23年後の1968年には、世界第2位の経済大国となり、以後42年間、2位の座を守りました。日本人の持つ勤勉さと技術力が原因であることは間違いありません。
ところが近年、食品偽装、車の排ガス偽装、免振・制振偽装等の品質を疑われる問題が続発。更に、パワハラ、セクハラ、役所の障がい者雇用偽装等も問題となっています。
こうした問題が表面化したのは殆どが内部告発によるものだと思いますが、これは氷山の一角に過ぎず、大半の企業や組織が大なり小なり問題を抱えている筈です。逆に言えば、問題は表面化していない企業や組織は、単に内部告発されていないだけと言っても過言ではないと考えています。
なぜなら、100%完全な組織体や人間はあり得ず、良くても80~90%の完成度で会社や社会は動いているからです。ですから、内部告発の度が過ぎると、日本社会は機能不全に陥る心配があります。
現在、アメリカで問題となっている数十年前の学生時代のセクハラまで問題視すると、「そして誰もいなくなった」の状況が生じかねません。戦後73年の平和な時代を経た日本は、官民共に制度疲労が生じており、慣例重視や責任の曖昧さ、技術よりも目標数値重視等の風潮が偽装に現れています。
そこで提案です。勿論、制度疲労を修正する為の内部告発で、一定のスケープゴートは必要ですが、告発の内容によっては、2~10年といった時効制度を設定したら如何でしょうか。それによって企業の倒産を防ぎ、若い折の失敗も免責されます。 |
了 |
菅谷 勝
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