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Vol.49
理性と感情 |
2019年01月15日 |
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一昔前、実際にあった話です。
ある病院の看護婦長が、自宅の便所で家族が使用した紙を専用の籠に入れさせ、これを風呂を沸かす薪の焚き付けに利用していました。
又、別の話ですが、深刻な便秘になった高校生の息子を、母親が地元の医院に連れて行ったところ、老医師が息子のお尻に口を付け、唾液で便を柔らかくして吸い出すのを見た母親が、とても感動したという話が新聞記事に出ていました。
人間の便や尿は、体に良かれと食べた物や水が体の中で臭い付けされ排出されたもので、これは動物も同じです。生物の進化の過程で縄張りを主張する為にこの便を食べる種類もいます。
看護婦長や老医師は自然科学をベースに物事を理性的に判断し行動しているからこそ、現代の私達一般人が驚く様な話になるのだと思います。赤ちゃんのオムツを交換していた母親や、老人介護施設で働く方達も、便や尿に対する考え方は違うのではないでしょうか。
しかし、一般論から言えば人間の感情は複雑で厄介です。煙草の煙や臭い、香水の好き嫌い、加齢臭等、昨今、マスコミで取り上げられ社会問題になっているケースもあります。嫌いな相手と嫌いな臭いがセットになると、余計、嫌悪感が増幅され、最後は「あの人と同じ部屋で同じ空気を吸うのは嫌だ」となります。
いくら注意を払っても、煙草の臭いは服に残り、年を重ねれば多かれ少なかれ、老人臭は発生します。ですから、時には臭いを理性のフィルターを通して感じてみてはいかがでしょうか。 |
了 |
菅谷 勝
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