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Vol.69 開拓民 |
2023年03月04日 |
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コロナウイルスの感染者が増え始めた頃、私は「高齢だしタバコを吸っているので、コロナに感染したら必ず死ぬ」と脅され、出勤停止になりました。仕方なく神奈川県西部の山の中に移住し、ウイークデイの半分程度をリモートワークで過ごす生活を送っています。
しかし、移住してすぐに地元の地区活動に参加させられる羽目になり、更に、家事を分担して処理している為、朝から晩まで結構忙しい日々を過ごしております。
加えて妻と近所の奥さんが、自宅前の空き地を地主から借りて「大根を作る」と言い出したのです。大根は土の中に障害物が有ると、例え小さな石でも曲がったり枝分かれしてしまう為、石や草の根を取り除かねばなりません。
よせばいいのに私の悪い癖で、「よし、俺が畑にする」と引き受け、空き地の一部、15畳程を40㎝位の深さで掘り出し、ふるいにかける作業を始めました。
しかし、いざスコップで掘り始めると大量の石と草の根が有り、しかも大きな石が次々に出て来ました。私の手に負えない石は近所の男性2人が助けてくれ、ジャッキで掘り出す事が出来ましたが、昔の開拓者の苦労はいかばかりかと思い知らされております。
幕末の志士・坂本龍馬は土佐の姉に送った手紙の中で、「日本を今一度洗濯いたし申し候」と書いていますが、私は「日本の洗濯など小せ~小せ~、こちとら地球をふるいにかけている」と噓吹いています。
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了 |
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菅谷 勝
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