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Vol.68
心の痛み |
2023年01月31日 |
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21世紀の現在、世界の各地で紛争が絶えません。原因は経済、領土、宗教、イデオロギーその他、様々ですが、つくづく人間は懲りない生き物だと感じさせられます。
私は若い頃に、父から「お前は猪武者だ」と言われました。学生時代から「人間とは何ぞや」、「社会とは何ぞや」といったテーマで、仲間と徹夜で議論したり、本を読み漁ったりした事で、自分なりの人生論や世界観を身に付けたつもりでおりました。それが人の意見を聞き入れない、いわゆる「独善的」なスタイルになったのだと思います。
しかし、父から会社の経営をバトンタッチされた時、「このままの自分では経営など出来ない」と気付き、自己改革を余儀なくされたのです。後に父は「人間が変わった」と語ったそうです。
ところがそれからは、過去の様々な失敗したケースが自分を苦しめる様になりました。テレビを観たり新聞を読んだりすると似た様なケースがあり、その度に鋭い心の痛みに襲われます。それでも人は失敗を重ねます。ですから、年を重ねる程、痛みを感じる回数は増えますが、自己保身の為に即座に痛みを封印し、別の事を考える様にしています。
最近思うのは、心の痛みを感じている内は、自分の感性が正常に機能している証拠であって、残された人生で失敗を少なくする鍵になるのではないか、と言うことです。
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了 |
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菅谷 勝
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