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Vol.33
年を重ねる |
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1944年生まれの私は今年70才になりました。調査の世界に入って48年になります。若い頃は向こう見ずの所謂、猪突猛進型だった為、父から猪武者と言われ、親子喧嘩は日常茶飯事でした。そんな私も年を重ねるに従い、周囲から「角が取れて丸くなった」と言われる様になりました。
人は誰もが長所、短所を兼ね備えています。昔、「欠点の無いのが欠点」という言葉が流行したのも、人間に短所は付き物という共通認識があったからです。面白いのは長所と短所が概して裏返しというか、対極線上にあるのです。
行動的⇔粗忽、慎重⇔スロー等が代表例です。
逆にこうした長所、短所が目立たず、適度にバランスの取れたタイプもありますが、安定感を人に与える半面、没個性的と評価されたりします。又、若い時からバランスが取れているのと、年を重ねてバランス感覚を身に付けるのとでは、大きな違いがあります。
それと言うのも、一芸を極めたり、組織のトップに立つ人は、概して強い個性を持ち、長所、短所が大きく突出しているケースが多いのです。この突出した部分はその人の持つエネルギーの噴出孔で、エネルギーの強い人ほど成功する確率が高いと私は考えます。
ですから、若い時のアンバランス、欠点は、一概に悪いとは言えません。むしろ短所を問題視するあまり、長所も殺してしまう結果になりかねません。短所は人生経験を積む過程で、徐々に修正して行けば良いのです。
昔から「角を矯(た)めて牛を殺す」という諺もあります。
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