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Vol.29
マニュアル人間 |
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以前、新聞記事で以下のエピソードが紹介されていました。
新車を購入した主婦がディーラーから車を受け取り、その足で給油の為にガソリンスタンドへ寄りました。勿論、車はピカピカです。ところが、応対したスタンドの若い女性従業員が言いました。「洗車はいかがですか」
昨今、似た様な話が沢山あるのではないでしょうか。
マニュアルが決して悪い訳ではありません。礼儀作法で知名度の高い小笠原流は江戸時代から広く知られ、礼儀作法の知識を持たない人にとっては、失敗しない為の手引書として役立ったはずです。
しかし、マニュアルを何の疑問も持たずに受け入れ、全てマニュアル通りに片付け様とすると、前述の「洗車はいかがですか」になる訳です。
マニュアルはあくまでも基本であって、臨機応変に自分の判断でアレンジしてこそマニュアルが生きます。
小・中学校の入学式、卒業式等では必ず来賓の挨拶があります。ところが大半の来賓がマニュアル通りの挨拶を行う為、子ども達は私語を交わしたり、外を見たりして、演壇を見ていません。多感な子ども達は面白い話、珍しい話、感動する話を聞けば、目を輝かせて演壇に集中するし、人生の糧にもなるはずです。ですから、原稿を見ながら話すのではなく、自分の言葉で相手に語りかければ良い訳で、決して上手に話そうと意気込む必要はありません。むしろ自分の失敗談を訥々と話せば、人の役に立ちます。
礼儀作法のマニュアルとは、煎じ詰めれば相手に失礼のない様に振る舞う事だと思います。言い換えれば、相手の立場を思い遣り、優しく自分の言葉や態度で接すれば、気持ちが相手に伝わり、多少の失敗は大目に見て貰えるはずです。
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