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Vol.66
自然とは |
2022年06月19日 |
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私が50代の頃、テレビで南米アマゾンの未開部族を取材したドキュメンタリー番組を観た時の話です。 取材スタッフが部族の長老に、「ここは自然が豊かで……」と語りかけると、長老は「我々の言葉に自然という言葉は無い。生活の全てが貴方の言う自然なのだから」と言うのです。
なるほどと思いました。自然という言葉は我々の生活が近代化し、コンクリートジャングルなどと称され、自然が失われて行く中で生まれた言葉なのだと。 そこで、改めて失われたことで生まれた言葉が他にあるかと思い探したのですが、意外に少ないのです。 動植物の「絶滅種」、「地球温暖化」、「大気汚染」等が思い浮かびますが、これらは皆、「自然」のカテゴリーに含まれます。
我々が使用している言葉の殆どが、狩猟生活から農耕化、工業化と進む中で生まれたもので、これを「文明」と称しています。 大量消費、プラスチックゴミ等が問題視され、自然回帰の声も叫ばれて久しいのですが、だからと言って、鍋を手に豆腐を買いに行く事は不可能な社会の仕組みが出来上がっています。
勿論、私も便利な文明社会の恵みの中で生活をしているのですが、その中で少しでも自分に出来る事、例えば無駄な買い物をしない、電化製品は修理して長持ちさせる、落ち葉や野菜クズは花や野菜栽培の肥料にする等、少しでも心掛けようと思っています。
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了 |
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菅谷 勝
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