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Vol.65
働き方改革 |
2022年04月06日 |
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若い頃の私は、毎年の様に繁忙期の数ヶ月は土日祭日もなく働き、平均睡眠時間が5時間を切る生活を送っていました。その頃の日本では別段珍しいケースではなく、私も特に疑問を持たずに目の前の仕事を終わらせることに集中していたのです。
しかし、年を重ねるに従い、長時間労働の原因を考える様になりました。出た答えは、クライアントに提供する調査のレベルが同業者と大差が無く、その為に調査業界全体が料金アップ出来ずに長時間労働で利益を計上していたのです。
それからは業界で扱っていない分野の新しい商品開発と、従来商品のレベルアップに取り組み、質の高さに見合う報酬を得ることで、長時間労働の解消が可能となりました。
昨今、過労死や人手不足が原因で、働き方改革が叫ばれていますが、要するに値段の叩き合いに巻き込まれる商品を扱っていては、長時間労働の問題を解決することは難しいと思うのです。
加えて利益の配分の仕方が問題です。私は「会社は運命共同体」だと考えており、近年、日本の企業もアメリカの真似をして、経営者が多額の報酬を得る流れが生じていますが、格差社会を生むだけの話だと思います。
私は就業規則とは別の次元で、「退職する時期は自分で判断する様に」と言っています。体力、知力の許す限りいつまでも働ける職場作りが大切で、50余年の歴史の中で、途中で退職した従業員は4~5名だけでした。
「働き方改革」の問題には他にも様々な要因がありますが、その内容を見ると、制度の問題ではなく、経営者の意識改革が最も重要なのだと思うのです。
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菅谷 勝
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