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Vol.39
比べる相手は自分 |
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「自分が貧しいか否かは他人との比較で感じる」。これは石原元都知事がテレビに向けて語った言葉です。似た様な言葉で「上を見たらキリがない。下を見てもキリがない」「ピンからキリまで」があります。これと対照的なことわざで、「起きて半畳、寝て一畳」があります。
人は昔からこの問題で悩んで来たことが良く分かります。人間の持つ欲望は動物と違って際限が無く、自分の欲望の為には他人を犠牲にしてもかまわないと考え、行動する人もいます。
又、人の為、社会の為に自分の時間や収入を犠牲にしてボランティア活動する人もいるのです。そしてどのような政治体制でも貧富の差は生じます。それが様々な欲望を持つ人間社会の宿命なのです。
人間は煩悩の塊ですから、どこかで自分をコントロールするしかありません。自分の境遇や能力を冷静に見極め、どのレベルまで高めることが可能か。このレベルを教養、社会的地位、経済力など、なるべく具体的なイメージで設定し、この目標に向かって努力する。
比較したり競ったりする相手を他人や社会にすると、際限無く泥沼に陥りかねません。ですから、比べる相手を自分自身とし、自分の設定した目標値に向かって努力した方が心の安定を得られると思うのです。そしてその目標値をクリアし、尚、時間と体力、気力が残っていれば新たな目標値を設定しては如何でしょうか。 |
了 |
菅谷 勝 |
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