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Vol.37
這えば立て…… |
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「這えば立て、立てば歩めの親心」。昔から言われている子どもの成長を願う親の切なる気持ちを表す有名な言葉です。実際に乳児の子育てを行っている母親の姿を見ると、子どもを大きな病気やケガをさせずに一人前に育てる事がいかに大変かよく分かります。
ですから、やっと育て上げたわが子がいじめや体罰で死亡したり、社会から落伍した場合の親の悲しみは、私の想像をはるかに超えるものと思います。近年、社会問題となっている学校に於けるいじめや体罰は、言うまでもなく教育現場の教師やこれを管理する教育委員会、文部科学省に責任があります。家庭の責任、親の責任については以前書きましたので、今回は敢えて触れません。
なぜ、教育の現場で問題が起きているのか。教師やこれを管理する上層部の大多数は自らも子育ての経験者であり、問題の本質を理解出来るはずです。
私は教育者に対する評価方法に最大の問題があると考えます。校長は管理能力を問われることを恐れるあまり、見て見ぬ振りをする。クラスを預かる教師は親の反発を恐れて、いじめに正面から取り組むことをしない。
こうした事なかれ主義や無気力の根源は減点方式による評価システムにあると思うのです。従って、対処方法としては、評価システムを減点方式と加点方式を組み合わせたものとし、給料の2〜3割を能力給として教員の姿勢を前向きにさせる。又、保護者やマスコミからの圧力、取材を教育委員会に限定させ、現場の教員をガードして独立性を持たせる。その為には教育委員会に民間企業の管理職経験者を入れ、徹底的に意識改革、組織改革を行うことが必要だと考えます。 |
了 |
菅谷 勝 |
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