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Vol.26
組織と自立 |
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日本人は、これ迄の長い歴史の中で、個人の考えよりも組織の意思決定が重んじられて来ました。これは組織の中でも同様で、小さな組織はより大きな組織の意思決定に従います。
民主主義国家、共産主義国家、独裁主義国家のいずれも、この原理によって組織化されており、軍隊はその典型で、トップの命令が末端の兵卒に至るまで浸透する軍隊は強烈です。しかし、トップの命令が間違っていた場合、結果は悲惨なことになります。第二次世界大戦の日本がその良い例です。
人間も動物も群れを作る以上、組織化は大命題であり、最終的にはトップの指示に従わなければなりませんが、組織の意思決定が為される迄のプロセスが大事です。間違った方針にノーと言い、ノーと言うだけでなく代案を提示する勇気と見識が必要です。
その為には自分を磨き、職務で実績を残さないと、単なる口先人間と評価され、提案は無視されかねません。何故か?と疑問を抱き、常に考え、そして努力した先に信念が芽生え、確立された信念が勇気につながります。
明治維新による開国、第二次世界大戦による民主化、いずれも日本は外圧によって国の形を変えました。しかし、これからの日本は国の内部から変革する力を持たないと世界の大きな流れの中で取り残されてしまいます。
東日本大震災の折、世界は日本で暴動や略奪が起きなかったことを驚きの目で見ていました。近代国家の中ではおそらく珍しい特質なのでしょう。こうした美点を残しつつ、ノーと言える個の力を養えば、日本の社会はもっと活性化すると考えます。
他人や組織に頼ったり、自分で判断せず占い等に頼っていては、何時までたっても自立は出来ません。自立するということは自己責任を負うことです。そして、自己責任を負う為には信念と勇気が必要です。
人生には時として、自分の希望や計算と違った結果が出ることがあります。その際、慌てたり悲しんだりしない為にも、自己責任の意識を確り身に付けておく必要があるのです。
一方、組織は、クリスマスツリーのイルミネーションの様に、ピラミッド型組織のあらゆる場所にノーと言える自立した人が配置されていれば、表面的にはバラバラに見えても、実は風や地震に強い柔軟な組織になると、私は考えます。
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