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Vol.27
一芸を極める |
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歴史上、政治、経済の分野で卓越した指導力を発揮した人物の行動や発言は、多くの人を感動させます。並外れた素質と努力、先見性、組織を率いる統率力、様々な経験と行動半径の広さ等から辿り着いた世界、見えている世界が人を感動させるのだと思います。
一方、職人や芸術家、アスリートの中で、一芸に秀でた人物の話も多くの人に感銘を与えます。ところがこの分野の人物は総じて行動半径が狭く、巨大な組織を統率した訳でもありません。それなのに一芸に秀でた職人や芸術家、アスリートの話を聞いていると、辿り着いた世界や見えている世界が、政治、経済の分野で辿り着いた世界と同じ印象を受けるのです。
両者の住む世界や社会経験が全く異質でありながら、何故そうなのか。
私は以前からこの疑問を抱えておりましたが、最近になって、いずれの分野でも物事を極めた人が私達に見せてくれている世界は、人間の本質、人間とは何かを映し出しているのではないかと気付いたのです。
専門分野の話は複雑で、素人には中々判断出来ませんが、到達した世界から観た人間を語っているからこそ多くの人が共感し、感動するのではないでしょうか。
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